のびるネット 受験生支援サイト 受験生の「困った」を解決する情報を発信します

「日本語から英語へ パラグラフ・リーディングとは」

  • 「はじめる」教科書 初年次のための欧米文化の学び方より
    聖学院大学欧米文化学科

  •  これまで学んできた日本語の書き方は、英語の文章の書き方にもあてはまります。
  •  英文を読んでいるとき、一文一文の意味は理解できるのに、最終的に何が書いてあったのか、著者は何が言いたかったのかがよくわからなかったという経験はありませんか。文法力や語彙(単語)力があっても、英文の典型的な構成を知らなければ、そのような状況に陥ってしまうことがままあります。
  •  英文の典型的な構成とはどんなものでしょうか。少し古い文献ですが、1966年に発表されたロバート・カプランの「文章構成パターン(Patters of Written Discourse)」の一部を見てみましょう。カプランは異なる言語・文化圏は異なる文章構成パターンを持っていると主張しました。図1の(1)(2)は、英語圏の文章構成パターンと日本語や中国語などの東洋のパターンを示したものです。どちらが英語のパターンだと思いますか。

     答えは(1)です。英語圏の人々は遠まわしな言い方はせず、すぐに要点を述べるが、東洋の人々は要点の周りをぐるぐると回り、なかなか主張にたどりつかないといったところでしょうか。カプランの考えは大争論を巻き起こし、これらのパターン単純すぎるしステレオ・タイプ的(すべてを同じものと考えるような型にはまった見方のこと)だなどの批判を浴びました。彼の主張には問題があったことは事実ですが、要点を述べるというような主張や議論の仕方、考えや表現方法は生まれ育った国の言語や文化、教育が何らかの影響を与えているということは否定できないのではないでしょうか。
  •  日本語の文章と同じように、英語にもパラグラフ(Paragraph)と呼ばれる段落があり、英文はいくつかのパラグラフから構成されています。典型的な英語パラグラフの構造を見てみましょう。

     典型的な英語パラグラフでは、最初にトピック・センテンス(Topic Sentence)と呼ばれる、そのパラグラフの中で書き手が最も言いたいこと、つまり主題が述べられます。パラグラフの残りの部分は、その主題を説明するための詳細な情報(具体例、理由、定義など)が述べられ、それらの文はサポーティング・センテンス(Supporting Sentence)と呼ばれます。ただし、詳細な情報が述べられたあとに、最後に主題が述べられる場合、また主題がパラグラフの中ほどにくる場合もあります。一般的に、英語の各パラグラフには主題とそれを支える具体的な情報があること、そして各パラグラフの主題をつなぎ合わせて読むと、その英文全体が何を言いたいのかがわかるということを覚えておくと、英文がぐっと読みやすくなります。要約をする際にも役立つでしょう。
  •  英文にはまた、典型的な情報の展開方法があります。主な五つの展開方法を紹介しましょう。

    1.Listing(列挙:主題の後にそれを説明する詳細な情報が述べられる)
    2.Sequence(順序:時間の流れや手順にそって出来事が述べられる)
    3.Comparison & Contrast(比較と対比:二つ以上のものの類似点や相違点が述べられる)
    4.Cause & Effect(原因と結果:ものごとの因果関係が述べられる)
    5.Problem & Solution(問題と解決:ある事柄の問題が提起されその解決方法が述べられる)

     前半の「読み方」の中のエッセイで、英文を読む際に役立つ背景知識の使用についてお話をしましたが、パラグラフの構成や情報の展開方法に関する知識も重要な背景知識の一つです。あくまで典型的な例ではありますが、これらを知っておくと書き手の意図がわかりやすくなり、英文が効率的に読めるようになりますよ。

  • 参考文献
    R. Kaplan, Cultural thought patterns in intercultural education. Language Learning, 16, 1966, 1-20
    卯城祐司 編『英語リーディングの科学――「読めたつもり」の謎を解く』、研究社、2009


  • グローバル家庭教師センター
  • さいたま市南区鹿手袋1-2-15-605

  •   受験生支援サイト「のびるネット」は、進学・受験サポートの観点から“総合教育プランナー”のGKCがお届けしています。